FXレポート

ドル円4連騰なるか?93円台乗せに期待膨らむ!

昨日のドル円は序盤、一昨日のドル買いが一巡し本邦輸出企業のドル売りが強まると、92円台を割り込み91.758円まで下落した。午後に入り、中国人民 銀行副総裁が「ギリシャの財政悪化は氷山の一角」と発言したことを受けて、中国からユーロ圏への投資資金が細るのではと懸念され、ユーロドルは一時 1.3283ドルと年初来安値を更新するなど、対ユーロでのドル買いが進んだことが波及し、ドル円は92.10円付近へと反発。その後トリシェECB総裁 が、「ECBから資金供給を受ける際の差し入れ担保の基準を維持する」との発言を受け、ギリシャ国債が担保基準の対象外になる懸念が弱まりユーロが急伸、 ユーロ円においては123.890円までの上昇となった。注目されていた欧州首脳会議においては、独仏両国首脳はギリシャ支援策について国際通貨基金 (IMF)とEUの融資を活用することで合意に達したが、これに対しトリシェECB総裁が「IMFによるギリシャ支援は非常に悪い」との認識を示したこと で、欧州域内の調整が難航するとの見方が浮上し、ユーロドルが反落。対円でも値を崩し終値は123.065円と、かろうじて123円台を維持したものの、 不安を残したままクローズとなった。一方、ドル円は新規失業保険申請件数が予想より強かったことやバーナンキFRB議長による「経済はこれからも回復を続 ける」との発言がドル買い材料となり、本日高値92.954円まで上昇。高値圏での推移を維持したまま92.684円で取引を終えた。


                     本日の展開

さて本日のドル円だが、ギリシャを巡る問題がユーロの信認低下を誘い、決済通貨として のドル買いが優勢となっていることからユーロドルが日々安値を更新している。下降トレンドを形成しているユーロドルの動きを主導とした相場展開が続いてい ることから、本日もドル円は堅調な動きが予想される。また、本日の米国時間帯には米四半期GDP・ミシガン大学消費者信頼感の発表が予定されており、今週 発表された住宅関連指標同様に市場予想を上回り、米景気に対して強気な見方が広がった場合、さらなる上昇も考えられる。上昇した場合、3月8日高値 93.779円が意識される水準となろう。

ユーロ円は、ギリシャ救済策を巡りEU内での調整が難航しそうな様相を呈しているとはいえ、首 脳会談においては具体的に融資策が合意に至っている事や、ギリシャ国債が2011年以降もECBからの借り入れ担保に利用できる等、不安材料が払拭されつ つある。以上を踏まえ3月24日以降反発に転じ、終値を切り上げ2日連騰となっていることから、対円においては底堅い展開が予想される。本日も終値を切り 上げ陽線引けとなれば、赤三兵(酒田五法)となるため来週の相場展開を占う意味でも本日の値動きが注目される。また、欧州首脳会議の閉幕に伴い、各国要人 からの発言によって値が振れる可能性もあるため注意が必要となりそうだ。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  91.70-93.80
ユーロ・円 122.30-124.00
ポンド・円 135.50-138.30

【今日の主な 経済指標】

06:45(NZ) 2月貿易収支
08:30(日) 2月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 3月東京 都消費者物価コア指数
21:30(米) 第4四半期GDP(確報値)
21:30(米) 第4四半期個人消費支出価格指数(確報値)
21:30(米)  第4四半期個人消費支出価格コア指数(確報値)
22:55(米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)

≪2010年3 月25日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ベア」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・ 円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェ アは「拮抗」になります。

 ドル円は「ベア」
 米債券市場で7年債入札が不調と受け止められ、米長期債の利回りが前日に続いて上 昇
 した。日米金利差の拡大を背景に円売りドル買いが優勢となったが、参加者は高値警
 戒感から「ベア」を選択。今晩は米四半期実質国内 総生産の発表を控えており、米国
 の景気回復を占う試金石となろう。

 ポンド円は「ブル」
 前日の英2月小売売上高は 1.6%と予想(0.6%)を上回ったことを背景にポンド円は小
 幅に続伸したことから、参加者は「ブル」を選択。しかし、依然として英国の景気 下
 振れ懸念は強く、財政赤字懸念や格下げリスクを抱えているため積極的に買い進む程
 の力強さはなさそうだ。

 豪ドル 円は「ブル」
 豪ドル円は三連騰となり、さらなる続伸に期待を膨らませている参加者は「ブル」を
 選択。ロウ豪準備銀行総裁補佐が「豪州 の経済見通しは明るい。今後も徐々に政策金
 利を引き上げる可能性がある。今後数年間は豪ドルの水準が過去10年の平均を上回る
 見通 し」と発言したことから、追加利上げ期待感が高まっている。

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