FXレポート

注目のEU首脳会議!ギリシャ支援策は出るか。

昨日のドル円は序盤、新規取引材料に欠き、90.45円前後での小幅なレンジ内の値動きとなった。東京時間午後に入り、日経平均株価が堅調に推移したことからドル円はじり高の展開となり90.60円付近まで上昇した。欧州時間に入ると欧州株が上昇して始まる中、3月独企業景況感指数が予想(95.8)を大幅に上回る2008年6月以来の高水準の結果(98.1)となったことを受けてユーロ円を中心に円売りが活発化。ユーロ円は122.248円まで上昇、ドル円は90.80円付近の上値抵抗線を上抜け、一時91.211円まで上げ幅を拡大した。その後、格付け会社フィッチが、「ポルトガルの格付けを「AA」から「AA-」に引き下げる」と発表するとユーロ圏内の財政危機がギリシャだけではないことが材料視され、基軸通貨のドルを物色する動きが一気に加速。ドルの堅調な展開は対円相場にも波及し円売りドル買いが活発化、約1ヶ月ぶりとなる92円台に突入した。また、不調だった米5年債入札を背景に米長期金利がさらに上昇したこともサポートとなり、ドル円は92.255円で取引を終えた。

                    本日の展開

さて本日のドル円だが、米連邦準備理事会(FRB)バーナンキ議長が、緊急的な措置として行った住宅ローン担保証券や資産担保証券市場の流動性を高める目的で、銀行6行に認めていた特例措置を解除したことについて証言することが予定されており、注目が集まりそうだ。また、先日の議会証言の中でイエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁が米金利の早期利上げについて否定的な認識を示していたが、理事会においてこれを覆すような発言が出れば、ドル円は上昇幅を拡大し93円台を試す展開も考えられる。

ユーロ円は、本日から26日にかけてEU首脳会議が開催され、ギリシャの救済策が示されるとの見方もあり市場の注目を集めている。救済策に関しては、これまでギリシャ支援に難色を示してきたドイツやフランス両国がギリシャ支援に国際通貨基金(IMF)が関与すべきだとの立場で一致したことから、具体案が示され支援の内容次第では、売られすぎていたユーロに巻き戻しが起こり、3月18日につけた124.258円を目指す展開も考えられる。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  91.10-93.40
ユーロ・円 121.50-124.80
ポンド・円 134.80-138.80

【今日の主な経済指標】

16:00(独) 4月GFK消費者信頼感指数
16:00(南ア) 2月卸売物価指数
16:45(仏) 2月消費支出
18:00(欧) 2月マネーサプライ
18:30(英) 2月小売売上高
21:30(米) 週間新規失業保険申請件数
23:00(南ア) 南アフリカ準備銀行政策金利

≪2010年3月24日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 92円の大台に乗せてさらなる上値の余地はあるとみて、参加者は「ブル」を選択している
 模様。本日は、米週間新規失業保険申請件数の発表があり、予想よりも強い内容となれば
 上値を試す展開が予想されるが、ギリシャの財政問題が解決しない限り、上値追いには警
 戒を払いたい。

 ユーロ円は「ブル」
 本日から26日にかけてのEU首脳会議において、ドイツが国際通貨基金(IMF)の融資獲得を
 条件に前向きな姿勢に転じているなど、ギリシャ財政問題に解決の期待が膨らんでいるこ
 とから、参加者は「ブル」を選択。ギリシャ支援策を巡る報道には注意を払いつつ、EU首
 脳会議の動向を慎重に見守りたい。
 
 ポンド円は「ブル」
 ダーリング英財務相が前日発表した予算案の中で、2011年の経済成長率見通しが下方修正
 されたことや、格付け会社S&Pが英景気の見通しをネガティブとしたことから、財政赤字
 削減に不透明感が高まり対ドルでは下落したが、対円ではドル円の上昇に連れ高となり、
 参加者は強気な「ブル」を選択。しかし、英国の景気下振れリスクは依然として高いと考
 えられ、高値警戒感からのポンド売りには警戒したい。

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