FXレポート

米住宅市況に改善の兆しか

昨日のドル円は東京時間序盤、仲値需要への期待感がドル買いの動きとなり、90.40円付近へと小幅に上昇した。しかし、ギリシャ支援策を巡り不透明感が根強いことや連休明けの日経平均が軟調に展開したこともあり上値を追う展開にはならず、やや値を戻し90.30円前後での推移となった。欧州参入後は、ユーロ売りが優勢となりユーロ円が121円台へと下落したことにつられて、ドル円も一時90.12円付近まで下落する場面もみられた。NY時間に入ると、注目されていた米中古住宅販売が前月比0.6%減と3カ月連続で落ち込んだものの市場予想(-1.1%)よりも良かったことから、米国株式相場が上げ幅を拡大したことを受けて、ドル買いの動きが強まり一時90.475円と23日高値をマークした。その後、イエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁の発言から米利上げ観測が後退し米国株が一段高となったが為替への影響は限定的となり、ドル円は90.40円で取引を終えた。


                    本日の展開

さて本日のドル円だが、米住宅指標の新築住宅販売件数の発表が予定されており注目されそうだ。前日に発表された米中古住宅販売と米住宅価格指数が揃って強い内容であったことから、本日の発表内容で改善状況が見受けられれば、米国の住宅市場に一段の安心感が醸成され、ドル買い優勢の流れとなる可能性もありそうだ。上値目標として3月12日高値91.084円を上抜けできるかがポイントと考えられる。

ユーロ円は、本日もギリシャ支援を巡る不透明感が引き続き重石となりそう。EU首脳会議を控え、ギリシャ政府は徐々に圧力を強め、市場が要求している高い利回りを引き続き支払うことはできないとし、代わりに国際通貨基金(IMF)に支援を要請するかもしれないと示した。また、ドイツ政府高官は、救済策の大部分の負担を強いられれば有権者を説得させるのが難しいとの懸念から、IMFへの支援を求める意向を強めている。ギリシャ財政危機の解決にIMFが介入することでユーロへの信頼が低下する可能性も考えられることから、下値に対する警戒は常に頭に入れておきたい。本日は、3月22日直近安値121.055円で下げ止まるかどうかが焦点となりそうだ。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  89.00-91.40
ユーロ・円 120.80-122.60
ポンド・円 133.60-136.10

【今日の主な経済指標】

18:00(独) 3月IFO業況指数
19:00(欧) 1月製造業受注
20:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:30(米) 2月耐久財受注
23:00(米) 2月新築住宅販売件数

≪2010年3月23日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 90円台を維持し、米国の住宅指標が市場予想を上回ったことから、参加者は「ブル」を選択。
 また、イエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁が「まだ金融引き締めの時期ではない」など
 の発言を好感し、米国株式相場は1年半ぶりの高値をつけ続伸していることも後押しとなって
 いる。市場では、目下91円台の回復と定着が焦点となろう。

 ユーロ円は「ブル」
 参加者は値ごろ感から引き続き「ブル」を選択しているものの、ユーロ買いの手がかりも乏
 しいことから上値の重い展開が続く可能性が高そうだ。本日も引き続きギリシャ財政問題の
 動向を慎重に見守りたい。
 
 豪ドル円は「ブル」
 米国株が続伸したことを受けたリスク選好度の高まりから、高金利通貨買い優勢と見て参加
 者は「ブル」を選択。また、市場では年内の追加利上げ観測が浮上してきたことから、来月
 6日の豪準備銀行理事会での利上げ期待から、上昇余地が拡大する可能性も考えられるか。

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