オバマ大統領一般教書演説に注目集まる!
金曜日のドル円は、21日にオバマ米大統領が発表した金融機関への新たな規制強化案が米経済の重荷になるとの見方からドル売りが進み、昨年12月以来約1ヶ月ぶりの円高水準まで下落した。一昨日から約2円の急落となったことを受けて、アジア時間には生保や輸出企業等リアルマネーによるドル買いが流入、また、白川日銀総裁が衆院予算委員会で「日銀は、0%以下の消費者物価指数を許容する事は出来ない」と述べた事が、「緩和策を今後も続けていく」と解釈されたため円売りが強まり、じりじりと値を戻した。しかし、ロンドン時間に入ってからは再度円買い優勢の流れとなり、90円の大台を割り込み89.926円で取引を終えた。
ユーロ円は、ギリシャ中銀のプロポボラス総裁が「ギリシャの財政問題はかなり深刻だが、ユーロ圏内で解決するほうが容易だろう」と述べ、くすぶるユーロ離脱懸念を事実上一蹴した事が支援材料となり、前日高値からの3円近い下落に対し半値まで戻す力強さを見せた。しかし、買い一服後は他通貨同様、再度円買いの流れに押される形で反落、年初来安値となる126.513円まで下落し、127.120円で引けた。
今週の展開
今週のドル円だが、オバマ米大統領が金融機関に対する規制強化策を打ち出したことで、金融自由化の波に乗って規模拡大を追求してきた米金融業界は大きな方針転換を余儀なくされる可能性が出てきた。ただ、大統領が草案に盛り込んだ、銀行による「ヘッジファンドへの出資禁止」や「自己資金での取引制限」などがどの程度実現できるかは未知数だ。急激なルール変更は金融市場を混乱させ、落ち着きを取り戻しつつある金融システムに悪影響を与える恐れもある。政府内でもガイトナー米財務長官やサマーズ米国家経済会議委員長らは大統領の提案に懐疑的な見方を示し、金融業界からは「成長と活力を奪う非現実的な提案」と反発が強まっている。
今週27日はオバマ米大統領が一般教書演説が予定されている。同日はFOMC金利・声明発表もあるが、インパクトのある金融規制改革を掲げた後だけに、一般教書演説にも注目が集まりそうだ。具体的な内容が発表された場合、現在の円買いの流れを加速させる可能性もあるが、金融規制案の内容は議会で今後審議される見込みで、オバマ大統領の提案がそのまま通るとは限らないため、過剰な反応はせずに冷静に対応したいところだ。
ポンド円は、好調な経済指標を背景に「利上げ時期が早まるのではないか?」との観測が浮上していたものの、1/22発表の英12月小売売上高が0.3%と事前予想を下回り、期待に水を差す形となっている。また、ブラウン英首相のスポークスマンが「ブラウン首相はオバマ米大統領の金融規制強化案の詳細を待っている」「オバマ大統領のプランはリスク軽減に繋がる」とした事で、英国も米国同様の規制案を採用するのではないか?との憶測が広がっているため、今後はブラウン首相のコメントにも注意が必要となろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00-92.00
ユーロ・円 124.00-129.00
ポンド・円 140.00-148.00
【今週の主な経済指標】
01/25
09:30(豪) 第4四半期生産者物価指数
01/26
未定 (日) 日銀金融政策決定会合(政策金利)
00:00(米) 12月中古住宅販売件数
15:30(日) 日銀総裁会見
16:00(独) 12月輸入物価指数
16:45(仏) 12月消費支出
18:00(ユーロ) 11月経常収支
18:00(独) 12月IFO業況指数
18:30(英) 第4四半期GDP(確報値)
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:00(南ア) レポレート(政策金利)
23:00(米) 11月S&Pケース・シラー住宅価格
01/27
00:00(米) 1月消費者信頼感指数
08:50(日) 12月貿易統計
16:45(仏) 1月消費者信頼感指数
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
01/28
00:00(米) 12月新築住宅販売件数
04:15(米) FOMC(政策金利)
05:00(NZ) NZ準備銀行理事会(政策金利発表)
08:50(日) 12月商業販売統計
22:30(米) 12月耐久財受注
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
01/29
08:30(日) 12月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 1月東京都消費者物価コア指数
08:30(日) 12月有効求人倍率
08:30(日) 12月失業率
08:50(日) 12月鉱工業生産(速報値)
18:00(ユーロ) 12月マネーサプライ
19:30(スイス) 1月KOF景気先行指数
22:30(米) 第4四半期個人消費支出価格コア指数(速報値)
22:30(米) 第4四半期GDP(速報値)
22:30 (米) 第4四半期個人消費支出価格指数(速報値)
22:30(加) 11月GDP
22:30(加) 12月生産者物価指数
22:30(加) 12月原材料価格
23:45(米) 1月シカゴ購買部協会景気指数
23:55(米) 1月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)
≪2010年1月22日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
オバマ米大統領の金融規制案はあまりにも唐突だったためマーケットは大きく動揺している。しかし、米下
院のフランク金融サービス委員長が「3~4年かけてじっくり議論すべき提案だ」と法案成立までの険しい道
のりを示唆するなど、与党・民主党内でも金融規制強化に対する温度差は大きいため、マーケットが落ち着
きをとり戻した後の反発に期待し、参加者は「ブル」を選択した。
ユーロ円は「ブル」
先週末は、昨年から何度か下支えられている127円近辺で売買か交錯し、かろうじて下げ止まった。かねて
よりユーロの不安材料とされていたギリシャだったが、ロポボラス中銀総裁の発言を受けて、売り圧力が弱
まるとの見方もあり参加者は「ブル」を継続中。しかし、米金融規制案を背景とした円買いが強まった場合、
更なる下落の可能性もあるため注意が必要か。
豪ドル円は「ブル」
中国の金融引き締めにより、中国経済の成長が緩やかになることで、世界経済の回復速度も鈍るとの思惑が
高まっており、資源国通貨が売られやすい相場環境となっている。高金利通貨として資金が流入し、昨年2月
から上昇トレンドを継続してきたが、新たな局面入りの様相を呈してきた。参加者は「ブル」を継続中だが、
このまま円買いが加速した場合、2009/12/18安値78.452円を目標に下げ足を早めるかもしれない。
ユーロ円は、ギリシャ中銀のプロポボラス総裁が「ギリシャの財政問題はかなり深刻だが、ユーロ圏内で解決するほうが容易だろう」と述べ、くすぶるユーロ離脱懸念を事実上一蹴した事が支援材料となり、前日高値からの3円近い下落に対し半値まで戻す力強さを見せた。しかし、買い一服後は他通貨同様、再度円買いの流れに押される形で反落、年初来安値となる126.513円まで下落し、127.120円で引けた。
今週の展開
今週のドル円だが、オバマ米大統領が金融機関に対する規制強化策を打ち出したことで、金融自由化の波に乗って規模拡大を追求してきた米金融業界は大きな方針転換を余儀なくされる可能性が出てきた。ただ、大統領が草案に盛り込んだ、銀行による「ヘッジファンドへの出資禁止」や「自己資金での取引制限」などがどの程度実現できるかは未知数だ。急激なルール変更は金融市場を混乱させ、落ち着きを取り戻しつつある金融システムに悪影響を与える恐れもある。政府内でもガイトナー米財務長官やサマーズ米国家経済会議委員長らは大統領の提案に懐疑的な見方を示し、金融業界からは「成長と活力を奪う非現実的な提案」と反発が強まっている。
今週27日はオバマ米大統領が一般教書演説が予定されている。同日はFOMC金利・声明発表もあるが、インパクトのある金融規制改革を掲げた後だけに、一般教書演説にも注目が集まりそうだ。具体的な内容が発表された場合、現在の円買いの流れを加速させる可能性もあるが、金融規制案の内容は議会で今後審議される見込みで、オバマ大統領の提案がそのまま通るとは限らないため、過剰な反応はせずに冷静に対応したいところだ。
ポンド円は、好調な経済指標を背景に「利上げ時期が早まるのではないか?」との観測が浮上していたものの、1/22発表の英12月小売売上高が0.3%と事前予想を下回り、期待に水を差す形となっている。また、ブラウン英首相のスポークスマンが「ブラウン首相はオバマ米大統領の金融規制強化案の詳細を待っている」「オバマ大統領のプランはリスク軽減に繋がる」とした事で、英国も米国同様の規制案を採用するのではないか?との憶測が広がっているため、今後はブラウン首相のコメントにも注意が必要となろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00-92.00
ユーロ・円 124.00-129.00
ポンド・円 140.00-148.00
【今週の主な経済指標】
01/25
09:30(豪) 第4四半期生産者物価指数
01/26
未定 (日) 日銀金融政策決定会合(政策金利)
00:00(米) 12月中古住宅販売件数
15:30(日) 日銀総裁会見
16:00(独) 12月輸入物価指数
16:45(仏) 12月消費支出
18:00(ユーロ) 11月経常収支
18:00(独) 12月IFO業況指数
18:30(英) 第4四半期GDP(確報値)
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:00(南ア) レポレート(政策金利)
23:00(米) 11月S&Pケース・シラー住宅価格
01/27
00:00(米) 1月消費者信頼感指数
08:50(日) 12月貿易統計
16:45(仏) 1月消費者信頼感指数
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
01/28
00:00(米) 12月新築住宅販売件数
04:15(米) FOMC(政策金利)
05:00(NZ) NZ準備銀行理事会(政策金利発表)
08:50(日) 12月商業販売統計
22:30(米) 12月耐久財受注
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
01/29
08:30(日) 12月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 1月東京都消費者物価コア指数
08:30(日) 12月有効求人倍率
08:30(日) 12月失業率
08:50(日) 12月鉱工業生産(速報値)
18:00(ユーロ) 12月マネーサプライ
19:30(スイス) 1月KOF景気先行指数
22:30(米) 第4四半期個人消費支出価格コア指数(速報値)
22:30(米) 第4四半期GDP(速報値)
22:30 (米) 第4四半期個人消費支出価格指数(速報値)
22:30(加) 11月GDP
22:30(加) 12月生産者物価指数
22:30(加) 12月原材料価格
23:45(米) 1月シカゴ購買部協会景気指数
23:55(米) 1月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)
≪2010年1月22日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
オバマ米大統領の金融規制案はあまりにも唐突だったためマーケットは大きく動揺している。しかし、米下
院のフランク金融サービス委員長が「3~4年かけてじっくり議論すべき提案だ」と法案成立までの険しい道
のりを示唆するなど、与党・民主党内でも金融規制強化に対する温度差は大きいため、マーケットが落ち着
きをとり戻した後の反発に期待し、参加者は「ブル」を選択した。
ユーロ円は「ブル」
先週末は、昨年から何度か下支えられている127円近辺で売買か交錯し、かろうじて下げ止まった。かねて
よりユーロの不安材料とされていたギリシャだったが、ロポボラス中銀総裁の発言を受けて、売り圧力が弱
まるとの見方もあり参加者は「ブル」を継続中。しかし、米金融規制案を背景とした円買いが強まった場合、
更なる下落の可能性もあるため注意が必要か。
豪ドル円は「ブル」
中国の金融引き締めにより、中国経済の成長が緩やかになることで、世界経済の回復速度も鈍るとの思惑が
高まっており、資源国通貨が売られやすい相場環境となっている。高金利通貨として資金が流入し、昨年2月
から上昇トレンドを継続してきたが、新たな局面入りの様相を呈してきた。参加者は「ブル」を継続中だが、
このまま円買いが加速した場合、2009/12/18安値78.452円を目標に下げ足を早めるかもしれない。