米企業決算本格化!決算内容如何に?
金曜日のドル円は、東京市場序盤は5・10日仲値にかけてドル買いが強まったことから一旦91.30円付近まで上昇。しかし、前日の小売売上高など米景気指標の下振れを受けた米金利先高観の後退などを背景にジリジリと上値を切り下げると91円割れを示現。また、ジャマイカが経済復興のために国内債務の78億ドルを長期でより金利の低い債券に交換する「債務スワップ」計画を発表したことを受けて、米格付け会社S&Pがジャマイカの外貨建て債務格付けを「セレクティブ・デフォルト(選択的債務不履行)」に引き下げるとリスク回避の円買いを強めた。その後は米消費者物価や、ニューヨーク州製造業景況指数などが相次いで発表されたものの、強弱まちまちな内容で、売り買いが交錯し、結局90.834円で取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤、米半導体大手インテルの予想を上回る決算を受けてリスク選好ムードが広がりから、一時132.399円まで回復。しかし、ギリシャの財政赤字再建をめぐる不透明感がなかなか払拭できない状況から、徐々にユーロ売りが先行した。その後も独卸売物価指数が予想を下回ったことや、トリシェECB総裁が「米国の強いドルスタンスを支持する」との前日の発言が引き続き重要視されユーロ売りが加速。前日比1.567円安の130.701円で引けた。
今週の展開
今週のドル円だが、主要国の景気の回復速度が予想ほど速くないとの認識が広がり始めたことで、これまでの期待先行的な動きへの修正が進んでいるようだ。こうしたことから、ややリスク回避的な円買いの動きも予想されよう。また、今週本格化する米金融機関第4四半期決算に注目が集まる。先陣をきって発表されたJPモルガン・チェースの2009年第4四半期決算では総利益が予想を下回るなど不透明感は拭えない結果となった。シティ・グループ(19日)やモルガン・スタンレー(20日)等の決算が相次ぎ、今週は大きな米経済指標が予定されていないことから企業決算と株価を睨んでの展開となりそうだ。
ユーロ円は、ジャマイカ国内債務の事実上のデフォルト等、他の財務基盤の弱い国の債務不履行懸念からリスク回避型のユーロ売りもありえるだろう。また、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁による強い米ドルの支持発言。財政問題を抱えるギリシャや一部ユーロ諸国に対して支援しない方向を示唆したことで、ギリシャの財政再建を巡る不透明感からユーロを敬遠する動きが広がる可能性がある。ギリシャ危機の着地点がみえてくるまでは慎重スタンスを維持したい。テクニカル的に見ても、昨年12月の安値と今年の高値の半値押しの水準(130.90円付近)を割り込んだことで、地合いの弱さが増している。大台の130円を維持できるかが当面の注目点だが、仮に割り込んだ場合は昨年12月の安値127.413円まで下値余地が広がることが考えられ注意が必要だ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00-93.00
ユーロ・円 126.00-133.00
ポンド・円 145.00-155.00
【今週の主な経済指標】
01/18
13:30(日) 11月鉱工業生産
01/19
19:00(独) 1月ZEW景気期待指数
22:30(加) 12月景気先行指数
23:00(加) 加中銀金融政策委員会(政策金利)
23:00(米) 11月財務省対米証券投資
01/20
06:45(NZ) 第4四半期消費者物価指数
16:00(独) 12月生産者物価指数
18:30(英) 12月失業率
18:30(英) 1月金融政策委員会議事録
18:30(英) 11月国際労働機関失業率統計
18:30(南ア) 11月小売売上高
21:00(加) 12月消費者物価コア指数
21:00(加) 12月消費者物価指数
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁講演
22:30(米) 12月住宅建設許可件数
22:30(米) 12月生産者物価指数
22:30(米) 12月生産者物価コア指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
01/21
06:45(NZ) 11月小売売上高
18:00(ユーロ) ECB月報
22:30(加) 11月卸売売上高
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
01/22
00:00(米) 12月景気先行指数
16:45(仏) 1月総合業況指数
22:30(加) 11月小売売上高
≪2010年1月15日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
JPモルガンの決算内容嫌気がさしたことや、米10年債利回りが低下したことなどで91円を割れる展開と
なった。参加者は91円前後の水準では割安とみてか70%が「ブル」を選択。本日NY市場はキング牧師記
念日で休場のため薄商いの中もみ合いが予想される。
ポンド円は「ブル」
このところ底堅く推移していたポンド円だが、ユーロ安に追随した動きとなり下落。参加者は押し目と
判断して「ブル」が優勢となった。強気の要因は、今月26日に予定されている英第4四半期GDP速報値の
発表が一段と水準を切り上げると予想されているためだ。また、英不動産市場も民間の調査機関である
英不動産投資データバンクによると、12月の英商用不動産価格は前月比で 3.0%上昇しており、調査開
始から23年間で最も高い上昇となった。過去2年間の低迷後、回復が加速して来ていることを示してい
る。英国のリセッション脱却期待・早期利上げ期待がにわかに広がってきたことから今週はポンドに関
心が集中しそうだ。
豪ドル円は「ブル」
ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回ったことで、株価や原油といったリスク資産が下落しており、
豪ドルも軟調な値動きとなった。参加者のバイアスは下落局面でも変化はなく、来月2日の豪準備銀行理
事会で追加の利上げ期待から「ブル」。今週は米主要企業決算を受けた株価動向によるリスク許容度の
変化は為替市場を左右するだろう。好決算や明るい業績見通しが示されれば、年初来高値の86.203円を
試す可能性もあろうか。
ユーロ円は東京市場序盤、米半導体大手インテルの予想を上回る決算を受けてリスク選好ムードが広がりから、一時132.399円まで回復。しかし、ギリシャの財政赤字再建をめぐる不透明感がなかなか払拭できない状況から、徐々にユーロ売りが先行した。その後も独卸売物価指数が予想を下回ったことや、トリシェECB総裁が「米国の強いドルスタンスを支持する」との前日の発言が引き続き重要視されユーロ売りが加速。前日比1.567円安の130.701円で引けた。
今週の展開
今週のドル円だが、主要国の景気の回復速度が予想ほど速くないとの認識が広がり始めたことで、これまでの期待先行的な動きへの修正が進んでいるようだ。こうしたことから、ややリスク回避的な円買いの動きも予想されよう。また、今週本格化する米金融機関第4四半期決算に注目が集まる。先陣をきって発表されたJPモルガン・チェースの2009年第4四半期決算では総利益が予想を下回るなど不透明感は拭えない結果となった。シティ・グループ(19日)やモルガン・スタンレー(20日)等の決算が相次ぎ、今週は大きな米経済指標が予定されていないことから企業決算と株価を睨んでの展開となりそうだ。
ユーロ円は、ジャマイカ国内債務の事実上のデフォルト等、他の財務基盤の弱い国の債務不履行懸念からリスク回避型のユーロ売りもありえるだろう。また、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁による強い米ドルの支持発言。財政問題を抱えるギリシャや一部ユーロ諸国に対して支援しない方向を示唆したことで、ギリシャの財政再建を巡る不透明感からユーロを敬遠する動きが広がる可能性がある。ギリシャ危機の着地点がみえてくるまでは慎重スタンスを維持したい。テクニカル的に見ても、昨年12月の安値と今年の高値の半値押しの水準(130.90円付近)を割り込んだことで、地合いの弱さが増している。大台の130円を維持できるかが当面の注目点だが、仮に割り込んだ場合は昨年12月の安値127.413円まで下値余地が広がることが考えられ注意が必要だ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00-93.00
ユーロ・円 126.00-133.00
ポンド・円 145.00-155.00
【今週の主な経済指標】
01/18
13:30(日) 11月鉱工業生産
01/19
19:00(独) 1月ZEW景気期待指数
22:30(加) 12月景気先行指数
23:00(加) 加中銀金融政策委員会(政策金利)
23:00(米) 11月財務省対米証券投資
01/20
06:45(NZ) 第4四半期消費者物価指数
16:00(独) 12月生産者物価指数
18:30(英) 12月失業率
18:30(英) 1月金融政策委員会議事録
18:30(英) 11月国際労働機関失業率統計
18:30(南ア) 11月小売売上高
21:00(加) 12月消費者物価コア指数
21:00(加) 12月消費者物価指数
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁講演
22:30(米) 12月住宅建設許可件数
22:30(米) 12月生産者物価指数
22:30(米) 12月生産者物価コア指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
01/21
06:45(NZ) 11月小売売上高
18:00(ユーロ) ECB月報
22:30(加) 11月卸売売上高
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
01/22
00:00(米) 12月景気先行指数
16:45(仏) 1月総合業況指数
22:30(加) 11月小売売上高
≪2010年1月15日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
JPモルガンの決算内容嫌気がさしたことや、米10年債利回りが低下したことなどで91円を割れる展開と
なった。参加者は91円前後の水準では割安とみてか70%が「ブル」を選択。本日NY市場はキング牧師記
念日で休場のため薄商いの中もみ合いが予想される。
ポンド円は「ブル」
このところ底堅く推移していたポンド円だが、ユーロ安に追随した動きとなり下落。参加者は押し目と
判断して「ブル」が優勢となった。強気の要因は、今月26日に予定されている英第4四半期GDP速報値の
発表が一段と水準を切り上げると予想されているためだ。また、英不動産市場も民間の調査機関である
英不動産投資データバンクによると、12月の英商用不動産価格は前月比で 3.0%上昇しており、調査開
始から23年間で最も高い上昇となった。過去2年間の低迷後、回復が加速して来ていることを示してい
る。英国のリセッション脱却期待・早期利上げ期待がにわかに広がってきたことから今週はポンドに関
心が集中しそうだ。
豪ドル円は「ブル」
ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回ったことで、株価や原油といったリスク資産が下落しており、
豪ドルも軟調な値動きとなった。参加者のバイアスは下落局面でも変化はなく、来月2日の豪準備銀行理
事会で追加の利上げ期待から「ブル」。今週は米主要企業決算を受けた株価動向によるリスク許容度の
変化は為替市場を左右するだろう。好決算や明るい業績見通しが示されれば、年初来高値の86.203円を
試す可能性もあろうか。