FXレポート

藤井財務相為替介入に否定的、90円割れもありえるか!?

ドル円は、株高・原油高を背景としたリスク許容度の高まりからドル売りの流れで序盤は下値を探る動きが先行。また、新財務相に就任が内定した藤井・民主党最高顧問が「為替は緩やかな動きならば介入には反対。足元の為替相場は乱高下していない」などと発言したことから円買いが強まり、一気に90.088円まで下落。その後、「来週のFOMCで利上げが議論される」との噂がドル円の買い戻しを誘発、91円台乗せに一時成功したものの、終値は90.946円で引けた。

ユーロ円は、新規材料が乏しい中、引き続き株高・原油高によるリスクテイクのドル売りの流れが続き、対ドルは1.47366ドルまで年初来高値を更新。対ドルの堅調さにサポートされ、クロス円でも上昇し3日続伸の133.806円で引けた。

一方ポンド円は、前日のキングBOE総裁の証言(準備預金に対する金利の引き下げを検討)を引きずり、148.619円まで下落し7月13日以来の安値を更新した。その後、ショートカバーが優勢の局面もあったが、ポンドのファンダメンタルズの弱さが目立つ結果となり149.943円で取引を終えた。


さて本日のドル円だが、米経済指標を好感しNYダウが堅調に推移するも「リスク許容度の上昇=ドル売り」の地合いが変わらないため、ドル円の上値は重くなりそうだ。また、市場では日本の民主党の円高容認論から90円割れの声も聞こえ、仮に90円割れとなれば、ロングポジションでの損切り手仕舞いなどにより、売りが売りを呼ぶ展開となる可能性も否定できない。

ポンド円は、キングBOE総裁の発言を引きずっており、さらに下値余地を拡大させる可能性が高いとも思える。準備預金金利を引き下げても英国の銀行が貸し出しを増やすとは考えにくく、利回りの低下とポンドのさらなる下落を招くだけになりかねず、ロングポジションを選択する場合は短期的な押し目買いが無難かもしれない。

オセアニア通貨は米経済指標が改善されていることに加え、各国要人の景気回復に関する発言も多く、景気回復期待感を背景に高金利通貨は相対的に買われやすい地合いが続いている。株価・コモディティーの上昇や経済指標が今後も好結果となった場合には、リスクテイクの動きからオセアニア通貨買い・ドル売りの地合いは継続しそうだ。

 

[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   89.80-91.50
 ユーロ・円 132.60-134.20
 ポンド・円 147.80-150.00


【本日の主な経済指標】

08:50     JPY     四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数
17:30     GBP     小売売上高指数
20:00     CAD     消費者物価指数
21:00     CHF     スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
21:30     USD     住宅着工件数
21:30     USD     建設許可件数
21:30     USD     新規失業保険申請件数




さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月16日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 強い米経済指標や米長期金利が上昇したことも買いを誘い圧倒的に「ブル」。
 藤井氏は「為替は緩やかな動きならば介入には反対」との発言から円は上値を試しやすい
 地合いになりつつある。来週初めより日本は休みとなる事から、その連休中にドル円が90円
 割れを試す展開も十分考えられ、90円を意識した展開が継続しそうだ。週末までに十分な
 ポジション調整が必要になるだろう。


 ユーロ・円は「ブル」
 欧米株式相場が堅調に推移したことやNY原油先物は72.51ドル(2.23%高)で取引を終了した
 ことでリスク選好が継続し強気のスタンスは変わらなかった。本日も株式市場が堅調ならば、
 リスク許容度が拡大し引き続きドルと円が売られてユーロ上昇に弾みがつく可能性もあるだろう。


 ポンド・円は「ブル」
 約2ヶ月ぶりに148円台まで下落したことから短期的な押し目買いが目立つ展開となった。
 本日は17:30に英8月小売売上高指数が発表される。ここまで前月比は2ヶ月連続でプラス、
 前年比も同じく2ヶ月連続でのプラスを記録している。ただ、16日に発表された同国の8月
 失業率は5.0%(前回 4.9%)と1997年9月(5.0%)以来の悪数値を記録しており、労働市
 場に対する不安から個人消費は手控えられる可能性も否めない。


 

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