7日ECB理事会、8日米雇用統計が焦点か!
金曜日のドル円だが東京市場では、日銀短観にて6月全国企業短期経済観測調査、大企業製造業の業況判断がともに悪化したものの、内容は想定内であったことで反応は限定され、逆に月初ということでドル不足観測から80.85円付近まで上昇した。欧州勢参加後は、欧州株、NYダウ株価先物指数が軟調に推移したことを背景にややドルが弱含む展開となったが、総じてレンジ内での動きに終始した。NY市場では、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想より若干弱い結果となったが、6月ISM製造業景況指数の強い結果を受け、米景気の回復期待感からダウ平均の大幅な上昇や米10年債利回りの上昇で81.141円とこの日の高値を更新した。ただ、引けにかけては7月4日の米独立記念日に伴い連休前のポジション調整から円買いが優勢となり80.819円まで値を戻して取引を終えた。
ユーロ円だが東京市場は、前日のギリシャ議会で緊縮財政実施法案が賛成多数で可決されたことでギリシャのデフォルト懸念が和らいだことによるリスク選好姿勢の強まりからユーロ高となった。欧州市場では東京時間の流れを引き継いで買いが先行し117.355円まで上昇したが、独6月PMI製造業、英国6月PMI製造業がそれぞれ予想を下回ったことを受け、欧州全体の景気後退懸念から116.80円付近まで下落となった。また、3日のユーロ圏財務相会合が中止となり、格付け会社S&Pが「イタリアは緊縮財政計画に関わらず債務リスクに直面している」と発言したこともユーロの重しとなった。しかしNY市場に移ると、米経済指標が好結果となったことを受け、米国経済の先行きに対する懸念が幾分後退し、円売りが進行すると一時117.444円まで高値を更新。117.413円で取引を終え、5営業日続伸となった。
今週の展開
ドル円は、ギリシャの緊縮財政法案が可決したことで、欧州高債務国関連の問題に一定の目処がたったことで、今週は米国のファンダメンタルズを見直す動きとなるか注目となりそうだ。このところ米国指標はさえない結果も多かったが、先週のシカゴPMIやISM製造業景況指数が予想を上回る好結果となったことで、米国の財政に先行き不透明感が和らぎ久々のドル上昇要因となっている。今週は6日に発表される6月ISM非製造業景況指数や、週末金曜日に発表される雇用統計が焦点となるが、バーナンキFRB議長が示した「米景気の減速感は一時的」とした強気発言が本物かどうかを確認する週となりそうだ。
ユーロ円は、ギリシャの債務不履行リスクが目先後退するとともに、ギリシャ国債のロールオーバー(借り換え)の方法で独仏の銀行が合意したことで、民間投資家の関与を含む1200億ユーロ規模の第2次支援パッケージの策定に向けて事態が動き出す可能性は高くなっている。仮に仏が提案したロールオーバー方式を格付け会社が「クレジットイベントとみなさない」との見方を示せば、さらに楽観的なムードが強まるだろう。また、トリシェECB総裁からは「インフレへの強い警戒」との発言を繰り返しており、今週のECB理事会で利上げが期待感が高まっている。ギリシャ問題が収拾に向かうことで、タカ派的な流れとなる可能性が高いとみられることから金利面を鑑みても強気のスタンス維持となろうか。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 78.50-82.50
ユーロ・円 114.50-118.50
ポンド・円 126.00-132.00
【今週の主な経済指標】
7月4日
10:30 AUD 住宅建設許可(前月比/前年比)
10:30 AUD 小売売上高(前月比)
7月5日
10:30 AUD 貿易収支
13:30 豪中銀(RBA) 政策金利発表
16:58 EUR サービス業PMI(確報値)
17:28 GBP サービス業PMI
18:00 EUR 小売売上高(前月比/前年比)
23:00 USD 製造業受注(前月比)
7月6日
19:00 GER 製造業受注(季調済)(前月比)
21:30 CAD住宅建設許可(前月比)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
7月7日
07:45 NZD 四半期GDP(前期比/前年比)
08:50 JPY 機械受注(前月比/前年比)
10:30 AUD 新規雇用者数
10:30 AUD 失業率
17:30 GBP 鉱工業生産(前月比/前年比)
19:00 GER 鉱工業生産(季調済)(前月比)
20:00 英中銀(BOE) 政策金利発表
20:45 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表
21:15 USD ADP民間雇用者数
21:30 USD 新規失業保険申請件数(前週分)
21:30 CAD新築住宅価格指数(前月比)
21:30 USD 新規失業保険申請件数(前週分)
23:00 CADIvey購買部協会指数
7月8日
08:50 JPY 国際収支-貿易収支
08:50 JPY 国際収支-経常収支
15:00 GER 貿易収支
15:00 GER 経常収支
17:30 GBP 生産者物価指数(コア)(前年比)
20:00 CAD失業率
20:00 CAD雇用者数変化
21:30 USD 非農業部門雇用者数
21:30 USD 失業率(雇用統計)
≪2011年7月1日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ISM製造業景況指数の好結果や、米景気先行き不透明感が和らいだことによるドル買いから「ブル」に変化はなかった。先週は米国債入札が不調だったこともあり、10年債利回りは5月中旬以来の水準となり、連邦準備制度理事会(FRB)の米国債買い入れ(QE2)が6月末で終了したことで、今週は10年債利回りが上昇する可能性もあろう。ただ、週末金曜日に発表される雇用統計を控え、仮に米経済成長を妨げるネガティブな材料が出た場合には下振れする可能性もあり注意しておきたい。
ポンド円「ブル」
英6月製造業PMIが弱い結果となったことを受けて売りが強まったものの、欧米株式の上昇を背景にリスク選好度の高まりから、ポンドを物色する流れが継続して「ブル」となっている。 しかし、ギリシャ議会で財政緊縮計画は可決したが、先行き不透明感の完全な払しょくには至っておらず、リスク回避姿勢の継続からポンドの上値への足枷となろうか。尚、今週は欧州中央銀行(ECB)理事会での政策金利の動向と、トリシェECB総裁における金融政策や経済見通しについての発言が注目されており、貿易面でつながりの強い英国にとってはタカ派の内容となるか注視したい。
豪ドル円「ブル」
豪州5月HIA新築住宅販売、中国6月PMI製造業指数が予想を下回ったことを背景に、中国と経済的に結びつきが強い豪ドル売りからの押し目買いとなり「ブル」が継続されている。ギリシャの債務問題の先行き不透明感が薄らいでいるほか、新四半期に入りリスクテイク余力が出ていることから、資源国通貨は上昇地合いとなろうか。また、明日の豪準備銀行理事会では政策金利据え置きがコンセンサスとなっているが、声明でタカ派的な文言があればプラス材料と受け止められる可能性が高いほか、欧米株式の株高や、金、原油といった商品相場の上昇も背景に強気スタンスを維持できようか。
ユーロ円だが東京市場は、前日のギリシャ議会で緊縮財政実施法案が賛成多数で可決されたことでギリシャのデフォルト懸念が和らいだことによるリスク選好姿勢の強まりからユーロ高となった。欧州市場では東京時間の流れを引き継いで買いが先行し117.355円まで上昇したが、独6月PMI製造業、英国6月PMI製造業がそれぞれ予想を下回ったことを受け、欧州全体の景気後退懸念から116.80円付近まで下落となった。また、3日のユーロ圏財務相会合が中止となり、格付け会社S&Pが「イタリアは緊縮財政計画に関わらず債務リスクに直面している」と発言したこともユーロの重しとなった。しかしNY市場に移ると、米経済指標が好結果となったことを受け、米国経済の先行きに対する懸念が幾分後退し、円売りが進行すると一時117.444円まで高値を更新。117.413円で取引を終え、5営業日続伸となった。
今週の展開
ドル円は、ギリシャの緊縮財政法案が可決したことで、欧州高債務国関連の問題に一定の目処がたったことで、今週は米国のファンダメンタルズを見直す動きとなるか注目となりそうだ。このところ米国指標はさえない結果も多かったが、先週のシカゴPMIやISM製造業景況指数が予想を上回る好結果となったことで、米国の財政に先行き不透明感が和らぎ久々のドル上昇要因となっている。今週は6日に発表される6月ISM非製造業景況指数や、週末金曜日に発表される雇用統計が焦点となるが、バーナンキFRB議長が示した「米景気の減速感は一時的」とした強気発言が本物かどうかを確認する週となりそうだ。
ユーロ円は、ギリシャの債務不履行リスクが目先後退するとともに、ギリシャ国債のロールオーバー(借り換え)の方法で独仏の銀行が合意したことで、民間投資家の関与を含む1200億ユーロ規模の第2次支援パッケージの策定に向けて事態が動き出す可能性は高くなっている。仮に仏が提案したロールオーバー方式を格付け会社が「クレジットイベントとみなさない」との見方を示せば、さらに楽観的なムードが強まるだろう。また、トリシェECB総裁からは「インフレへの強い警戒」との発言を繰り返しており、今週のECB理事会で利上げが期待感が高まっている。ギリシャ問題が収拾に向かうことで、タカ派的な流れとなる可能性が高いとみられることから金利面を鑑みても強気のスタンス維持となろうか。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 78.50-82.50
ユーロ・円 114.50-118.50
ポンド・円 126.00-132.00
【今週の主な経済指標】
7月4日
10:30 AUD 住宅建設許可(前月比/前年比)
10:30 AUD 小売売上高(前月比)
7月5日
10:30 AUD 貿易収支
13:30 豪中銀(RBA) 政策金利発表
16:58 EUR サービス業PMI(確報値)
17:28 GBP サービス業PMI
18:00 EUR 小売売上高(前月比/前年比)
23:00 USD 製造業受注(前月比)
7月6日
19:00 GER 製造業受注(季調済)(前月比)
21:30 CAD住宅建設許可(前月比)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
7月7日
07:45 NZD 四半期GDP(前期比/前年比)
08:50 JPY 機械受注(前月比/前年比)
10:30 AUD 新規雇用者数
10:30 AUD 失業率
17:30 GBP 鉱工業生産(前月比/前年比)
19:00 GER 鉱工業生産(季調済)(前月比)
20:00 英中銀(BOE) 政策金利発表
20:45 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表
21:15 USD ADP民間雇用者数
21:30 USD 新規失業保険申請件数(前週分)
21:30 CAD新築住宅価格指数(前月比)
21:30 USD 新規失業保険申請件数(前週分)
23:00 CADIvey購買部協会指数
7月8日
08:50 JPY 国際収支-貿易収支
08:50 JPY 国際収支-経常収支
15:00 GER 貿易収支
15:00 GER 経常収支
17:30 GBP 生産者物価指数(コア)(前年比)
20:00 CAD失業率
20:00 CAD雇用者数変化
21:30 USD 非農業部門雇用者数
21:30 USD 失業率(雇用統計)
≪2011年7月1日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ISM製造業景況指数の好結果や、米景気先行き不透明感が和らいだことによるドル買いから「ブル」に変化はなかった。先週は米国債入札が不調だったこともあり、10年債利回りは5月中旬以来の水準となり、連邦準備制度理事会(FRB)の米国債買い入れ(QE2)が6月末で終了したことで、今週は10年債利回りが上昇する可能性もあろう。ただ、週末金曜日に発表される雇用統計を控え、仮に米経済成長を妨げるネガティブな材料が出た場合には下振れする可能性もあり注意しておきたい。
ポンド円「ブル」
英6月製造業PMIが弱い結果となったことを受けて売りが強まったものの、欧米株式の上昇を背景にリスク選好度の高まりから、ポンドを物色する流れが継続して「ブル」となっている。 しかし、ギリシャ議会で財政緊縮計画は可決したが、先行き不透明感の完全な払しょくには至っておらず、リスク回避姿勢の継続からポンドの上値への足枷となろうか。尚、今週は欧州中央銀行(ECB)理事会での政策金利の動向と、トリシェECB総裁における金融政策や経済見通しについての発言が注目されており、貿易面でつながりの強い英国にとってはタカ派の内容となるか注視したい。
豪ドル円「ブル」
豪州5月HIA新築住宅販売、中国6月PMI製造業指数が予想を下回ったことを背景に、中国と経済的に結びつきが強い豪ドル売りからの押し目買いとなり「ブル」が継続されている。ギリシャの債務問題の先行き不透明感が薄らいでいるほか、新四半期に入りリスクテイク余力が出ていることから、資源国通貨は上昇地合いとなろうか。また、明日の豪準備銀行理事会では政策金利据え置きがコンセンサスとなっているが、声明でタカ派的な文言があればプラス材料と受け止められる可能性が高いほか、欧米株式の株高や、金、原油といった商品相場の上昇も背景に強気スタンスを維持できようか。