中東リスクと英国新政権 地政学と財政政策が市場の焦点
-前営業日サマリー-
ドル円は162.40円でオープン。東京市場では、週末に伝わった中東情勢を巡る報道を背景にドル買いが先行。ただ、162円台中盤では上値の重さも意識され、それ以上の動意にはつながりませんでした。ロンドン市場では、イラン外務省が「交渉か戦争かという二者択一は有益ではない」と発言し、外交努力を継続する姿勢が示されたことで過度な警戒感がやや後退。ドル円は162円台前半まで下押しました。しかし、NY市場では再びドル買いが優勢となり、ドル円は162.52円で取引を終えました。
-中東リスクと英国新政権 地政学と財政政策が市場の焦点-
本日のイベントは、英雇用統計が控えているものの、その他注目度の高い経済指標は予定されていません。
トランプ大統領は、「イランが米兵を殺害するたびに、その代償は何倍にもして支払わせる」とSNSに投稿。18日までに米兵の戦死が2日連続で確認される中、発言の強硬姿勢は一段と鮮明になっています。また、ヘグセス米国防長官や米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長らに追加作戦を指示したことも明らかとなり、中東情勢はさらに緊迫化しています。一方、イラン側も攻撃対象を湾岸諸国の民間インフラやヨルダンなどへ広げる姿勢を示しており、紛争が全面衝突へ発展するリスクも意識され始めています。関連するヘッドラインには引き続き警戒が必要となるでしょう。
一方、英国では20日に就任したバーナム新首相が主要閣僚を発表しました。財務相には、スターマー政権下で国防費不足への抗議から国防相を辞任したヒーリー氏を起用。当初は財政規律を重視するとみられていたマフムード内相の就任が有力視されていただけに、市場にとってはサプライズ人事となりました。ただ、為替市場ではポンドがやや売られる場面はあったものの、反応は限定的でした。
もっとも、英新政権はインフラ投資などを通じて政府支出を拡大する「大きな政府」路線を掲げています。今後、財政悪化を懸念させる材料が出てくれば、ポンド売りが強まる可能性も考えられます。当面は新政権の財政運営や追加政策を注視しておきたいところです。