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AI期待と米指標交錯

-前営業日サマリー-
 ドル円は158.86円でオープン。東京市場では、前日のドル売りが一巡するなか、豪雇用統計の弱い内容を手掛かりに豪ドル売りが進むとドル買いが広がり、159円台を回復する場面がありました。小枝日銀審議委員の発言は利上げに前向きな内容だったものの、市場への影響は限定的でした。ロンドン市場では、欧州PMIの悪化を受けてユーロやポンドが売られる一方、中東情勢を巡る報道に振らされる展開となりました。イラン情勢改善への思惑から一時ドル売りが強まる場面もありましたが、その後は濃縮ウランを巡る報道を受けて原油高・米金利上昇が進み、有事のドル買いが再燃。NY市場では「パキスタンが仲介した米国とイランの合意を巡り、最終草案が固まり、数時間内にも公表される見通し」との報道を受け、原油先物と米10年債利回りは前日比でマイナス圏へ。ドル円は売りが優勢となり、158.99円で取引を終えています。
 
-AI期待と米指標交錯-
 本日のイベントは、NZ第1四半期小売売上高、本邦全国消費者物価指数、英小売売上高、独IFO景況指数、加小売売上高、米ウォラーFRB理事の発言などが予定されています。
 21日の東京株式市場では日経平均が大幅反発し、前日比1879円高の6万1684.14円で取引を終えました。エヌビディア決算を波乱なく通過した安心感に加え、米長期金利の低下や米国とイランの戦闘終結期待が支えとなり、幅広い銘柄に買いが入りました。特に、米オープンAIの上場申請準備が伝わったことで、出資しているソフトバンクグループに買いが集中し、1銘柄で日経平均を大きく押し上げる展開となりました。AI関連への期待は半導体装置やメモリー関連にも波及しており、前日まで警戒されていたエヌビディア決算については、少なくとも東京市場ではリスクイベントを無難に通過したとの受け止めが優勢です。
 米国で発表された経済指標は強弱が入り混じる内容でした。5月製造業PMIは55.3と市場予想を上回り、約4年ぶりの高水準となりましたが、背景にはイラン戦争に伴う供給不安や価格上昇に備えた在庫積み増しの動きもあり、単純な需要拡大とは言い切りにくい面があります。また、米新規失業保険申請件数は市場予想をわずかに下回り、労働市場の安定が示されました。FRBにとっては、雇用悪化を急いで警戒するよりも、原油高や供給制約を通じたインフレ圧力に目を向けやすい環境が続いています。加えて、米住宅着工件数や建設許可件数は減少しており、住宅ローン金利の上昇や建設コスト高が住宅市場の重しとなっています。
 総じて、足元の市場はAI関連株への期待と米金利低下を好感する一方、中東情勢を背景としたインフレ再燃リスクはなお残る状況です。ドル円については、米労働市場の底堅さやインフレ警戒がドルを支えやすい反面、米景気指標の一部にはやや慎重に見極めたい内容も含まれており、方向感は一方向に傾きにくい展開が想定されます。本日は各国指標に加え、中東関連のヘッドラインや米金利動向を確認しながら取引に臨みたいです。

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