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AI関連企業の信用不安がドル円の重しに、米金利動向と中銀総裁発言を注視

-前営業日サマリー-
 ドル円は158.30円でオープン。東京市場では、AI関連企業の信用不安を背景とした米金利低下を受けてドル売りが加速し、一時157円台半ばまで下押しました。ただ、同水準では下値の堅さが意識され、ロンドン市場では買い戻しが優勢となりました。もっとも、戻りの勢いは限定的で、NY市場に控える米PPIなどの経済指標を見極めたいとの思惑から、積極的な売買は手控えられました。NY市場では、米PPIが市場予想を上回ったものの、素直にドル買いとはならず、ドル売り優勢となりました。ドル円は158.02円で取引を終えています。
 
-AI関連企業の信用不安がドル円の重しに、米金利動向と中銀総裁発言を注視-
 本日のイベントは、英ベイリーBOE総裁発言、米ウォーシュFRB議長発言、加マックレムBOC総裁発言、日植田日銀総裁発言(内田副総裁が代読)が予定されています。各国中銀トップの発言が相次ぐことから、金融政策を巡る思惑や突発的なヘッドラインによる相場変動には警戒しておきたいところです。
 足元では、人工知能(AI)向けクラウドサービスを手掛ける米コアウィーブの財務健全性に対する懸念が強まっています。同社はAI半導体を搭載したデータセンターをAI開発企業やクラウド大手に貸し出す「ネオクラウド」の先駆けとして、社債発行や借り入れを通じた資金調達によって事業を拡大してきました。ただ、米利上げペースの加速観測を背景に、債務依存度の高い成長モデルへの警戒感が高まっており、CDS市場では5年物の保証率が一時11.4%まで上昇。デフォルト確率も6割に達するなど、信用リスクが強く意識される状況となっています。
 こうした信用不安は他のAI関連銘柄にも波及し、世界的な株安につながっています。為替市場でもリスク回避の動きに伴うドル売りが優勢となっており、インフレ懸念を背景とした米利上げ観測が必ずしもドル高につながらない展開となっています。米金利の先高観と信用不安によるリスク回避が交錯するなか、ドル円は方向感を見いだしにくい状況です。
 一方、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは「コアウィーブの財務力は日々改善している」と発言し、火消しに走ってます。ただ、AI関連企業の資金調達環境に対する警戒感は根強く、信用不安が一段と広がるようであれば、米金利の低下を通じてドル円の上値を抑える要因となりそうです。
 本日は各国中銀総裁の発言が相次ぐため、金融政策の方向性に加え、AI関連企業の信用不安や金融市場の動揺に対する認識が示されるかにも注目したいです。特に、米金利の動向と株式市場の反応がドル円の方向性を左右する可能性があり、金利上昇によるドル買いとリスク回避によるドル売りのどちらが優勢となるかを見極めたいところです。また、前日に下値を支えた157円台半ばが引き続きサポートとして機能するかも、短期的な売買判断のポイントとなりそうです。

 

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