中東情勢の行方と供給リスク 市場は原油・インフレ動向を注視
-前営業日サマリー-
米軍によるイランへの空爆がいったん収束し、イラン側も報復攻撃を停止していることが週末に伝わると、週明けのドル円は163.62円で大きく下窓を開けてオープン。東京市場では、中東情勢の緊張緩和を背景にリスク回避姿勢が後退し、ドル売りが優勢となりました。ロンドン市場でも原油先物価格の下落がドルの重しとなる一方、高市首相の会見内容がやや円売りを意識させるものだったことから、売買が交錯する展開となりました。NY市場では、中東情勢を巡る楽観論に対して慎重な見方が広がり、ドル売りは徐々に巻き戻し。ドル円は163.75円で取引を終えています。
-中東情勢の行方と供給リスク 市場は原油・インフレ動向を注視 --
本日のイベントは、米消費者信頼感指数が予定されています。
トランプ大統領は27日、イランへの軍事攻撃をいったん停止し、外交交渉を優先する姿勢を示しました。中間選挙を控える中、足元で上昇している原油価格は米国内のインフレや有権者心理への影響が大きく、政権としてもエネルギー価格の一段の上昇は避けたい思惑があるとみられます。一方で、イラン側は「米国が平和と戦争のタイミングを決めることは許さない」と強硬姿勢を維持しており、対話が円滑に進む保証はありません。市場では緊張緩和を織り込む動きが先行していますが、関連報道次第ではリスク回避姿勢が再び強まる可能性もあり、ヘッドラインには引き続き警戒が必要です。
また、ロシアとウクライナを巡っては、黒海での攻撃が依然として続いています。ウクライナは黒海を航行するロシアの原油タンカーや貨物船へのドローン攻撃を強めており、穀物やエネルギー輸送への影響も徐々に意識され始めています。中東とウクライナの双方で供給不安がくすぶる状況は、原油価格やインフレ期待を通じて各国の金融政策見通しにも影響を及ぼしかねません。FOMCをはじめ主要中銀の金融政策を占ううえでも、地政学リスクと資源価格の動向は引き続き重要なテーマとなりそうです。