FXレポート

ECB、9月利上げ開始の市場見通しが肯定されるか

-前日サマリー-
 東京市場では、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が発表した政策金利が1%から1.5%への利上げで事前予想を上回る利上げ幅だったことからNZドル円は86.24円から86.67円へ一時急騰しました。ロンドン市場では、黒田日銀総裁の「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」との発言から円が売られ、ドル円は125.60円から126.32円へ一時急上昇しました。ニューヨーク市場では、米長期金利が2.78%から2.64%へ急低下したことでドルが売られドル円は一時125.38円まで下落したのち、125.68円で取引を終えました。

-ECB、9月利上げ開始の市場見通しが肯定されるか-
 本日のイベントは、豪雇用統計、トルコ政策金利、ECB(欧州中銀)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、米新規失業保険申請件数、米小売売上高、米ミシガン大消費者態度指数、米金融大手決算が予定され、明日の海外主要国休場前の営業日となります。特に注目すべきイベントは、ECB政策金利となります。
 ECB政策金利は、「0%据え置き」が市場予想の大勢です。ECBはテーパリングの最中で、量的緩和は「7-9月期に終了予定」と3月会合でアナウンスされています。利上げについての明確なアナウンスはまだ確認されていませんが、今年9月と12月に0.25%ずつ行われると短期金融市場では見込まれています。今回の会合で注目すべきは、市場が見込んでいる9月利上げ開始よりも早い7月のECB理事会で利上げ決定が行われると連想させる材料が、ECB声明やラガルドECB総裁会見から確認できるかという点です。特にラガルドECB総裁からは「ECBの金融政策はFRBと歩調を合わせないだろう(3/21)」「ECBの金利調整は常に段階的(3/30)」などの発言はありましたが、利上げ開始時期などの発言はまだ確認できていません。ラガルドECB総裁の記者会見で、市場が見込んでいる「年内利上げ」などの可能性について言及があれば、ユーロ買戻しの勢いは大きい可能性があります。しかし、足元のユーロは対ドルで2年ぶり安値近辺のため、ECB声明やラガルドECB総裁記者会見から金融引締めに慎重な内容が含まれている場合は、世界で最も取引高の多い通貨ペアであるユーロドルの安値割れがテクニカル面でユーロ安方向への動意づきのきっかけとなる可能性もあります。ECBの年内利上げがいつ始まるのかについてヒントを探りながら、本日は取引に挑みたいです。

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