FXレポート

目立った材料こそないものの

-前日サマリー-
 先週末は米雇用統計の発表が行われました。結果は市場予想の約100万人増に対し26万人増と大幅な下方向の乖離となりました。ドル円では109.28円から一時108.33円まで急落するなど久々に雇用統計で大きくマーケットが反応する形となりました。

-雇用統計の結果を受けて-
 衝撃的な下方向の乖離もさることながら、前月分も91.6万人増から77万人増に下方修正されるなど全体的に雇用の回復が鈍化している様相を呈した形となりました。市場予想では100万人を超える結果も十分にありえるとされていただけに強烈なネガティブサプライズとして市場に大きなショックを与えました。米商務省は雇用回復鈍化の理由の一つを政府が行う個人給付金としており、今後の財政政策決定の指針も変化する可能性を視野に入れておきたいです。
 今週も雇用統計の結果を各国マーケットが織り込みつつの始動となりそうです。足下ではダウ平均株価が史上最高値を3日連続で更新するなど金融市場への資金流入は続いていており、実体経済の弱さとは裏腹な相場模様となっています。とはいえ、雇用環境をはじめ経済の本格再稼働までの道のりは長く、当分ドルの上値はやや重いのではないかと予想されます。

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