米朝首脳会談の後は日米欧の金融政策に
東京
史上初の米朝首脳会談を控えて、朝鮮半島の軍事的緊張が和らぐとの見方が広がりリスクオンとなると、
ドル円は110.49円近辺まで上昇しました。もっとも、合意文書の詳細が発表されてなかったことから、次第に円売りが弱まり110.30円近辺を推移しました。
ロンドン
ロンドン市場では米朝首脳会談の合意内容が伝わったものの、為替への影響は限定的で手掛かりにはならず。一方で、ユーロ円はタカ派のECB理事会への思惑から買いが先行し一時130.273円の高値を付けました。
NY
米消費者物価指数が発表され事前の予想と変わらない結果だったため、利上げペースに変更はないとの見方が拡がり動意に欠きました。その後、パウエルFRB議長が毎回のFOMC後に記者会見を行うとの一部報道から円売りが強まる場面が見られたものの、ドル円は上値を伸ばすことはできず前日比では0.244円高い、110.359円で取引を終えました。
≪2018年6月12日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り35% 買い65%
ユーロ・円:「ベア」 売り62% 買い38%
英ポンド・円:「ブル」 売り36% 買い64%
豪ドル・円:「ブル」 売り18% 買い82%
NZドル・円:「ブル」 売り15% 買い85%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り61% 買い39%
【今日の主な経済指標】
03:00 USD 月次財政収支 5月
16:00 TRL 鉱工業生産[前月比] 4月
16:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 5月
16:15 CHF 四半期鉱工業生産 [前年同期比] 1-3月期
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)[前月比] 5月
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 5月
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)[前月比] 5月
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)[前年同月比] 5月
17:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)[前年同月比] 5月
18:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 4月
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数 4-6月期
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
20:00 ZAR 小売売上高[前年同月比] 4月
21:00 BRL 小売売上高指数[前年同月比] 4月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 5月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 5月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 5月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前年同月比] 5月
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
03:30 USD パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
-今日のトレードポイント-
史上初となる歴史的な米朝首脳会談は無事に終了しました。ただ、合意文書の中身に目を向けるとやや肩透かしといった印象が強い内容になっています。過去に北朝鮮は核の非核化に関する合意を94年、05年、12年に行ったものの、全て合意を破棄した経緯があります。そのため、どこまで北朝鮮が非核化に向けて取り組むかといった点で今後も注視する必要があります。米国も今回の合意で経済制裁を継続しており武力行使のカードも残しているため、一旦米朝の軍事的緊張は後退しましたが、今後の北朝鮮の対応次第では再び地政学リスクが高まる可能性は十分に考えらます。
今週の大きなイベントの一つを無事通過し、次に日米欧の金融政策に話題が移ります。今夜は日本時間27時00分からFOMC政策金利の発表が控えています。0.25%の利上げでコンセンサスは取れていますが、マーケットの注目は利上げペースになります。前日の消費者物価指数(コア)が2.2%とFRBメンバーが求める水準まで上昇しており、金利見通しの発表が年4回を織り込む内容になればドルは大きなサポートになります。一方で、米国の金利ペースの上昇は新興国にとっては好ましくなく厳しい経済状況にさらされるため世界経済が後退する恐れが考えられます。利上げペースに関しては長期的な視点にたって影響を見極める必要がありそうです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 109.30-110.50
ユーロ・円 129.00-130.80
ポンド・円 146.50-149.00