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消費者物価指数(CPI)は、その名の通り、消費に関連する経済指標です。皆さんの生活にも非常になじみ深くわかりやすい経済指標だと言えるでしょう。一方で、消費者物価指数の結果が外国為替市場に大きなインパクトを与えることも少なくありません。なぜ、マーケットへの影響が大きいのか、消費者物価指数の結果によって外国為替相場はどのように動くのか、掘り下げて見ていきましょう。
消費者物価指数は、その名前から、私たち消費者が購入するモノの物価を示す指数だと、なんとなく想像がつくかもしれません。ここではもう少し詳しく、消費者物価指数の概要について見ていきましょう。
消費者物価指数とは一般消費者世帯が購入する物やサービスの総合的な価格の水準を表す数値で、日本では総務省が毎月発表しており、CPI(Consumer Price Indexの略)とも呼ばれています。ドイツの経済学者であるラスパイレスが1864年に提案したラスパイレス計算式によって算出されており、日本以外でも多くの国がこの計算式を採用しています。具体的な計算方法は後述しますが、一言で説明すると、ある時点の世帯の消費構造を基準にして、同じものを買った場合の費用がどのように変動したかを指数値で表したものです。消費者物価指数は物価変動を示す指標で、インフレ状況や景気を判断する際の重要指標です。また消費者物価指数は買い手側から測る物価指数ですが、これとは別に生産者側から測る「生産者物価指数(PPI)」という指標もあります。国内の消費者物価指数データは総務省統計局のウェブサイトからダウンロードして利用することができます。
発表される時期 | |
全国の前月分指数 | 毎月19日がある週の金曜日、8時30分に公表 |
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※12月分で年平均指数も公表 | |
※3月分で年度平均指数を公表 | |
東京都区部の当月分指数 | 中旬速報値を毎月26日がある週の金曜日、8時30分に公表 |
次に、消費者物価指数の算出方法と、数字の見方について説明します。見方をしっかり押さえておけば、指標結果の発表時にマーケットへの影響も判断しやすくなるでしょう。
日本の消費者物価指数は基準年の価格に対し、品目ごとに比較時点の価格の比率を算出して指数化されます。基準年は西暦の末尾が0と5の年で、5年ごとに基準改定がされる仕組みとなっています。指数の算出は比較時の価格÷基準時の価格×100で求めることができ、品目ごとの指数を品目ごとにあるウエイトで加重平均することで総合指数などを算出します。各品目のウエイトは総務省統計局実施の家計調査の結果等に基づいています。また、品目の価格は総務省統計局が行う小売物価統計調査によって調査された小売価格が用いられます。
消費者物価指数は基準時を100として比較時の指数が上昇していれば、物価が上がったと捉えることができます。100は基準時における全国の平均的な家計消費を示し、例えば前年比を計算する場合に基準時100に対し、一年後の指数が102であれば、物価が2%上昇したということになります。一般的に物価が上昇しているということは景気が良く、消費者の購買意欲が高くなっており、逆に物価が下がっているということは景気が悪く、消費者の購買意欲が下がっていると考えることができます。ただ、物価は必ずしも景気動向と一致するわけではなく、「スタグフレーション」といわれる景気後退時に物価が上昇する局面もあるため、他の経済指標も併せて確認したいです。
消費者物価指数は投資家にとって注目すべき経済指標です。特に欧米で発表される消費者物価指数はマーケットの注目度も高く、発表後に外国為替相場が動くこともしばしばあります。ここでは、消費者物価指数の結果をFX取引でどのように参考にするのか見ていきましょう。また、日本をはじめ主要国の消費者物価指数の推移も確認します。
FX取引において、消費者物価指数は世界各国で発表される注目度の高いインフレ指標です。季節性要因を受ける生鮮食品を除いた「コアCPI」は最も重要視されます。為替市場において、国内の消費者物価指数発表時は値動きが乏しい傾向にありますが、諸外国、特にアメリカやユーロ圏の消費者物価指数発表時は米ドルやユーロの大きな値動きにつながることもしばしばあります。これは中央銀行が政策運営の中で「物価目標」を設定しており、その判断材料として用いられるからです。物価上昇に過熱感が出てくると、市場で中央銀行による利上げ期待が高まることで通貨高が進行しやすく、物価が下落する局面では景気下支えを目的とした中央銀行による利下げ期待が高まることで通貨安が進行しやすくなります。消費者物価指数発表時は事前予想値と結果の乖離が大きければ当該国の通貨が大きく変動する傾向があります。また、消費者物価指数の上昇率や「前月比」、「前年同月比」でどのように推移・変化しているのかに注目すると、中長期的な為替市場の動きを予想するのに役立つでしょう。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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2020年 | 0.7 | 0.6 | 0.4 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.3 | 0.2 | ||||
2019年 | 0.2 | 0.2 | 0.5 | 0.9 | 0.7 | 0.7 | 0.5 | 0.3 | 0.2 | 0.2 | 0.5 | 0.8 |
2018年 | 1.4 | 1.5 | 1.1 | 0.6 | 0.7 | 0.7 | 0.9 | 1.3 | 1.2 | 1.4 | 0.8 | 0.3 |
※修正値は反映していません。
・アメリカ
米消費者物価指数は、米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する、米国のインフレ率を知るための重要な経済指標です。公表日は毎月15日前後です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 2.5 | 2.3 | 1.5 | 0.3 | 0.1 | 0.6 | 1.0 | 1.3 | 1.4 | |||
2019年 | 1.6 | 1.5 | 1.9 | 2.0 | 1.8 | 1.6 | 1.8 | 1.7 | 1.7 | 1.8 | 2.1 | 2.3 |
2018年 | 2.1 | 2.2 | 2.4 | 2.5 | 2.8 | 2.9 | 2.9 | 2.7 | 2.3 | 2.5 | 2.2 | 1.9 |
※修正値は反映していません。
・ユーロ圏
ユーロ圏の消費者物価指数は、欧州連合統計局がユーロ加盟国の消費物価指数をまとめた数値を発表するものです。公表日は、速報値が毎月月末ごろ、改定値が翌月の中旬ごろです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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2020年 | 1.4 | 1.2 | 0.7 | 0.3 | 0.1 | 0.3 | 0.4 | -0.2 | -0.3 | |||
2019年 | 1.4 | 1.5 | 1.4 | 1.7 | 1.2 | 1.3 | 1.0 | 1.0 | 0.8 | 0.7 | 1.0 | 1.3 |
2018年 | 1.3 | 1.1 | 1.3 | 1.2 | 1.9 | 2.0 | 2.1 | 2.0 | 2.1 | 2.2 | 1.9 | 1.6 |
※修正値は反映していません。
・中国
中国の消費者物価指数は、中国国家統計局が発表する統計です。GDP世界2位の大国である中国の景況感やインフレ率を予測するための重要な指標と言えます。公表日は毎月15日前後です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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2020年 | 5.4 | 5.2 | 4.3 | 3.3 | 2.4 | 2.5 | 2.7 | 2.4 | 1.7 | |||
2019年 | 1.7 | 2.3 | 2.5 | 2.7 | 2.7 | 2.8 | 2.8 | 3.0 | 4.5 | 4.5 | ||
2018年 | 1.5 | 2.9 | 2.1 | 1.8 | 1.9 | 2.1 | 2.3 | 2.5 | 2.5 | 1.9 |
※修正値は反映していません。
ここでは国内外で発表される代表的なインフレ指標である「消費者物価指数」を紹介してきました。インフレはその国の通貨の価値につながるため、FX取引で戦略や今後の相場見通しを立てる際には必ず確認しておきたい指標です。また消費者物価指数が中央銀行の金融政策の決定に影響を与えるインパクトは大きく、政策変更の期待感から為替レートが動くことも多くあります。取引を始めたばかりの初心者の方も、消費者物価指数の基本を押さえながら FX取引に臨みたいです。日々の経済指標データや各国の消費者物価指数も掲載されている経済指標カレンダーはこちらよりご確認ください。
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