ノルウェークローネ/円(NOKJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

▼目次

 

ノルウェークローネ/円のリアルタイム為替レート

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━ RSI (14)
━ MACD (12,26)━シグナル (9)
(9,26,52)
━ 転換 ━ 基準 ━ 遅行 ━ 先行1 ━ 先行2
移動平均線 ━ 5 ━ 25 ━ 75

※チャートに掲載されているレートは参考値です。実際の取引レートとの間に相違が生じる場合がございます。
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ノルウェークローネ/円の基礎知識

▼ノルウェーの概要

氷河によって作られた風光明媚なフィヨルドをもつ、ノルウェー王国。北欧・スカンジナビア半島に位置する、EU(欧州連合)非加盟国の一つです。過去には1972年と1994年にEU加盟の是非を問う国民投票が行われましたが、いずれも否決されています。そのため、自国通貨にノルウェークローネを採用しています。ノルウェーを含め北欧諸国では「福祉国家」の一面が最たる特色でしょう。国民は高い税負担の代わりに、出産や子どもの学費は無料で提供されるほか、介護や医療、高齢者向けサービスに至るまで、充実した社会保障を普遍的に受けられる仕組みが整備されています。
主要産業は石油や天然ガスなどの生産で、GDPのおよそ１割、輸出のおよそ４割を占めており、「資源国」として広く認知されています。自然環境にも恵まれ、水産物も資源に次ぐ主要な輸出品目となっており、ノルウェーサーモンは日本の回転寿司で今や欠かせない存在でしょう。豊かな資源を有しながらも、国内の電力・エネルギーの約95％を水力発電でまかなっている点は特色です。これにより、産出される石油・天然ガスは、自国ではほとんど消費せず効率的に輸出に回すことができ、再生可能エネルギー分野においては世界をリードしています。世界最大級のファンドとして著名な「ノルウェー政府年金基金」は、石油・天然ガスの収入を主な原資に、将来の貴重な政府財源として20年以上運用されており、その資産は100兆円以上といわれています。
ノルウェーは健全な財政黒字国としても知られており、2022年の対GDP比における基礎的財政収支(プライマリーバランス)は世界トップを誇ります。金融政策運営はノルウェー銀行（ノルゲバンク　以下ノルウェー中銀）が担っています。2022年からバーチェ総裁がトップを務め、当初は一時的な総裁代理の予定でしたが、後に正式に総裁に就任しました。2023年12月に過去15年間で最高水準となる4.5%を記録した政策金利は、2025年6月に4年ぶりの利下げをもって4.25%へと引き下げられました。グローバルに景気後退懸念が燻る中で、やや強気にも見える同総裁の金融政策運営に、市場の注目が集まっています。

ノルウェークローネ/円(NOKJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

▼ノルウェークローネ(NOK)の特徴

ノルウェーは、北海油田の開発を契機に資源国として確かな地位を確立し、豊富な石油や天然ガスを生産・輸出しています。そのため、ノルウェークローネは豪ドルやカナダドルと並んで「資源国通貨」の一つに位置付けられており、資源価格の変動による影響を受けやすい点が最大の特徴です。また、貿易相手国をみると欧州諸国が大きな割合を占めることから、ユーロ相場ともある程度の相関性がみられるため、欧州・ユーロ圏の経済動向にも注目してみましょう。
ノルウェーは財政黒字で健全かつ安定しているほか、国内の人口・経済規模は大きくないながらも高い生産性を有し、比較的安定した経済成長を続けています。こういった背景から、「国債格付け」では大手3社が揃って最上級のプライム評価と非常に良好であり、他国と比較して信用リスクを抑えられる点は大きな魅力です。加えて、近年は政権交代があるも国内外において目立った問題はみられず、ロシア・ウクライナ情勢には気を配る必要があるものの、現状は地政学リスクも限定的といえるでしょう。
ノルウェークローネ/円相場の特徴としては、ロンドン（欧州）時間から取引や値動きが活発化する傾向があります。この時間帯はノルウェーや欧州・ユーロ圏の経済指標が発表されるため、取引する上では最も注目したい市場となります。このほか、先進国の資源国通貨の中では証拠金が低く、トレードの際に必要な取引コストを比較的抑えられる点も人気の理由です。

NOKJPYとブレント原油先物価格の推移

NOKJPYとブレント原油先物価格の推移
出所：ブルームバーグ
 

ノルウェークローネ/円の相場状況と今後の見通し

▼ノルウェークローネ/円の相場状況

2025年のノルウェークローネ/円は、依然として資源価格と金利差、そして米国の通商政策の影響を受けながら推移しています。2025年4月、トランプ政権は相互関税と呼ばれる包括関税(一律最低10%)を発動し、EUや日本、中国など幅広い国が対象となりました。これにより、欧州経済の減速懸念が高まりましたが、原油や天然ガスといった資源価格は供給不安から底堅く推移し、資源国通貨であるノルウェークローネを下支えしました。
ノルウェー中銀は2021年9月に主要先進国で最初にコロナ後の金融引き締めへ転換し、その後も段階的に利上げを実施。2022年はロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー高騰が追い風となり、一時14円台半ばまで上昇しました。2023年は序盤に利上げ停止でややもみ合うも、原油高を背景に再び持ち直し。2024年は資源価格の調整で伸び悩む場面もありましたが、高水準の貿易黒字や世界有数の財政黒字を背景に底堅く推移しました。
2025年6月には4年ぶりとなる利下げ（4.50％→4.25％）を実施しましたが、依然として先進国の中では高金利通貨の地位を維持。関税摩擦の長期化による欧州需要減速懸念が意識される一方で、エネルギー供給国としての優位性と堅固な財政基盤がクローネの下支え要因となっています。足元のクローネ/円は14円台半ばで底堅さを見せており、今後は米国関税政策の展開と資源市況の動向が相場の方向性を大きく左右する見通しです。

みんなのFX(TradingView)ノルウェークローネ/円相場の推移

みんなのFX(TradingView)ノルウェークローネ/円相場の推移

▼ノルウェークローネ/円の今後の見通し

2025年8月時点のノルウェークローネ/円は、引き続きノルウェー中銀や主要国の金融政策動向が相場のカギを握っています。ノルウェー中銀は主要国に先駆けて利上げサイクルを実施し、政策金利は2023年末時点で4.50％まで引き上げられましたが、2025年6月には4年ぶりの利下げに踏み切り、現行は4.25％となっています。インフレ率はCPI前年比で2％台後半まで低下し、中銀のインフレ目標に接近してきた一方、サービス価格など基調的な物価上昇圧力は根強く、声明では追加利下げに慎重な姿勢が示されています。このため、米国や欧州が利下げモードを強める中でも、ノルウェーは相対的に高金利を維持しており、ノルウェークローネには一定の資金流入余地が残ります。
一方、日銀の金融政策には留意が必要です。日銀は2023年7月と10月にYCCを修正・柔軟化し、2024年にはマイナス金利を解除しましたが、2025年半ば以降は追加引き締めを見送っています。植田総裁の慎重姿勢から、両国間の金利差が大幅に縮小する可能性は低く、ノルウェークローネ/円が大きく下落するリスクは限定的とみられます。
ただし、ロシア・ウクライナ情勢は依然として不透明で、NATO加盟国としてのノルウェーが地政学的緊張の影響を受ける可能性は残ります。原油や天然ガスなど資源価格の変動も含め、地政学リスクは今後もノルウェークローネ相場の不安定要因となり得るため、引き続き動向を注視したいところです。

ノルウェー・政策金利と消費者物価指数(CPI)の推移

ノルウェー・政策金利と消費者物価指数(CPI)の推移
出所：ブルームバーグ

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経済指標カレンダー（2025年10月）

ノルウェーの経済指標カレンダーです。今後の予定を抑えておきましょう。

 

ノルウェークローネ/円の取引なら、みんなのFX！

世界有数の資源国としての地位を確立し、健全な財政黒字国として投資対象としての魅力も秘めるノルウェー。ノルウェークローネ/円相場は中長期ではボックス圏で比較的安定した値動きが特徴であり、足元では資源高や利上げ継続を背景に底堅く推移しています。
みんなのFXでは金利差にあたるスワップポイントを高水準で提供できるよう、カバー取引先との交渉を重ねています。もちろん、みんなのFXでは1,000通貨から取引が可能で、約560円の証拠金を預けることで取引を始められます（1ノルウェークローネ＝14円で計算した場合）。FX取引を始めたばかりの方も、少ない資金から取引が始められます。ぜひ、みんなのFXでノルウェークローネ/円の取引をご検討ください！
（2025年8月時点 トレイダーズ証券 市場部）

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トレイダーズ証券市場部為替ディーラー

日々、海外のニュースやチャートをチェックし、インターバンク市場にて外国為替の取引をしている、トレイダーズ証券 市場部所属の為替ディーラーが、この記事を執筆しました。
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