米ドル/円、ユーロ/米ドルって何? 通貨ペアについて解説!

数多くある通貨ペアの中でも、米ドル/円、ユーロ/米ドルは代表格に位置づけられるものです。これらはなぜ、世界的に注目度の高い通貨ペアなのでしょうか?

やはり、日本人に最も馴染み深いのが米ドル/円

為替市場では、米ドルとユーロ、日本円の存在感が突出して高いと言えそうです。BIS(国際決済銀行)は3年ごとに通貨別取引高を調査しており、2016年4月のデータによれば、米ドルが44%弱、ユーロが15%超、日本円が11%弱と、これら3通貨で約7割のシェアを握っています。

一方、通貨ペア別の取引シェアを見ても、「ドルストレート」が全体の約9割を占めており、ほぼ独占に近い状態です。「ドルストレート」とは、米ドルと他の通貨との組み合わせを意味しています。

ドルストレートの中で最も多い取引は、後述する⽶ドルとユーロの組み合わせです。そして、2位につけているのは、日本人にも馴染み深い米ドル/円です。

国内FX業界全体における2019年4月時点の通貨ペア別取引シェアは米ドル/円が47.8%で、5割に迫る域に達しています。2位のポンド/円が13.9%、3位の豪ドル/円が10.6%ですから、いかに米ドル/円に人気が集中しているかがわかるでしょう。

米ドル/円は流動性が極めて高く、スプレッドも数ある通貨ペアの中で最も狭くなっているので、初心者でもチャレンジしやすいと言えます。また、レートの推移はテレビのニュースなどでも頻繁に報道されており、得られる情報量も非常に豊富です。

米ドルは「世界の基軸通貨」であり、最も影響力の高い通貨です。3強の一角である日本円も、投資家の間でリスクを避ける動きが強まった際には避難先として買われやすい傾向があります。

米ドルの相場に影響を及ぼしやすいのは、日米の金利差や政治経済の情勢です。FOMC(連邦公開市場委員会=米国における金融政策の決定会合)後や米国雇用統計(同国内における雇用状況調査で極めて重要視される経済指標)発表後に大きく変動を示すことがあります。

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世界で最も取引されているユーロ/米ドル

おそらく、FX取引を行っていない人は、「今、ユーロ/米ドルのレートはいくら?」と聞かれても戸惑ってしまうのではないでしょうか? 日本人にはあまり馴染みがない存在ではあるものの、先に述べたように、世界で最も取引量が多いのはこの通貨ペアです。
1999年1月、ユーロは11カ国(フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、アイルランド、フィンランド)の共通通貨として発足しました。そして、2001年1月のギリシャに続き、スロベニア、キプロス、マルタ、スロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニアが参加し、2018年末の時点では19カ国で使用されています。

国際通貨基金(IMF)によると、ユーロ域内における人口は、米国を上回る規模に達しており、それだけ世界経済への影響力も強いと言えるでしょう。世界各国の外貨準備高の通貨構成割合では、米ドルの62%と比べれば見劣りするものの、ユーロは第2位で約20%を占め、円の5%と大差をつけています。

また、旧フランス領を中心にアフリカの複数の国々で用いられている共通通貨のCFAフランはユーロと固定されています。さらに、ユーロとペッグさせている(=特定の通貨と自国の通貨の為替レートを一定に保つ調整を行っている)国も多く、実質的なユーロ圏は想像以上に広がっています。

だからこそ、米ドルとユーロとの取引がグローバルに活発化しているのです。

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ユーロ/米ドルとユーロ/円の関係性は?

米ドルとユーロ、日本円は三角関係にあり、互いに影響を与え合っています。したがって、米ドル/円の相場が上昇しているのにユーロ/米ドルやユーロ/円がほとんど変動しないということはまずありません。

一方で、米ドル/円が上昇しているからといって、必ずしもユーロ/円まで上昇するとは限りません。3つの通貨ペアをよく見比べてみることで、どのような綱引きを行っているのかが掴めてきます。

たとえば、ユーロ/米ドルにおいて、ユーロ高・米ドル安が進んでいるのに対し、米ドル/円では米ドル安・円高の傾向が見られたと仮定しましょう。このようなケースでは、米ドル売りが鮮明になっていると解釈できます。

ユーロ/米ドルと米ドル/円において、ともに米ドル安のトレンドが明確になっていれば、どちらの通貨ペアもトレードを仕掛けやすい局面が訪れていると判断できるでしょう。

これに対し、ユーロ/米ドルにおいてユーロ高・米ドル安が進んでいるのに対し、米ドル/円は米ドル高・円安の方向に動いていた場合はどう判断すればいいのでしょうか?

この情報からわかるのは、①ユーロ買いの動きがうかがえる、②米ドル買いの動きもうかがえる、③ユーロ買いと比べれば米ドル買いはそこまで活発でないということです。そして、そこまで積極的に買われていない米ドルに対して、日本円は3通貨の中で最も人気が低下している(=相場が下がる傾向を示している)可能性が考えられます。

主要な「クロス円(米ドル以外の外国通貨と日本円の組み合わせ)」の推移も見比べてみれば、他の通貨に対して日本円は3通貨の中で最も人気が低下している(=相場が下がる傾向を示している)可能性が考えられます。

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ユーロ/米ドルの特徴とは? ユーロに影響を与えるものは?

グローバルに決済手段として用いられているという点で、米ドルとユーロはまさに2大巨頭です。当然ながら、ユーロ/米ドルの為替相場には欧州と米国における政治経済の情勢や金融政策の行方が影響を及ぼします。

特にユーロにおいては、移民問題などを巡って加盟国の間で右派政党が勢力を強めており、そういった動向も少なからず為替市場にもインパクトを及ぼします。米国も世界のけん引役であるだけに、景気の減速傾向が顕著になってくれば、米ドルが弱含む可能性が考えられます。

一方、金融政策では米国のFRB(連邦準備制度理事会)が2015年12月から段階的に政策金利の引き上げを進めてきましたが、2019年6月現在では中断しています。これに対し、ユーロ圏の金融政策はECB(欧州中央銀行)が統括して担っており、国債などを購入してその代金を世間に供給する量的金融緩和政策を2018年末で終了させました。

2019年6月時点でユーロ圏における政策金利は過去最低水準である0%にとどめられていますが、もしも引き上げるようなことがあれば、欧米の金利差は縮小傾向を示すので、ユーロに対して米ドルが売られやすくなる可能性が考えられます。

ちなみに日本は、意図したように物価上昇が進まないことから、日本銀行は異次元の量的緩和政策を維持し続けています。

ユーロの相場動向はチェックしておこう

国内FX業界全体における2019年4月の通貨ペア別取引シェアで米ドル/円は47.8%を占めていましたが、ユーロ/米ドルはわずか6.6%にすぎません。しかし、その推移は米ドル/円相場にも影響を与えるのは先に述べた通りです。

また、欧州はアフリカや中国などとの経済的な結びつきが強く、ユーロの動向にもそういった事情が絡んできます。ユーロ/円やユーロ/米ドルをトレードするつもりはなくても、相場の動きを日々ウォッチしておけば、他の通貨ペアを攻略する際にも役立つでしょう。

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