過去最大の概算要求で財政懸念 ベッセント米財務長官発言で円高圧力も
-前営業日サマリー-
ドル円は160.13円でオープン。東京市場では、朝方に前週末高値と並ぶ160.20円まで上昇したものの、ベッセント米財務長官の発言を受けて日銀の早期利上げ観測が強まり、円買いが優勢となりました。時間外の米長期金利が低下したことも重しとなり、一時159.73円付近まで下落。ロンドン市場では、欧州勢参入後に159.48円まで下落したものの、その後は反発。米10年債利回りが利上げ期待を背景に4.75%台と2025年1月以来の高水準まで上昇するとドル買いが強まり、159.90円付近まで下げ幅を縮小しました。NY市場では、米10年債利回りが一時4.76%台まで上昇したもののドル買いは限定的。ベッセント米財務長官が「日本政府と日銀は円高につながる行動を見せるだろう」と発言したことが重しとなり、ドル円は一時159.57円付近まで下落しました。その後は159円台後半でもみ合いとなり、最終的に159.73円で取引を終えました。
-過去最大の概算要求で財政懸念 ベッセント米財務長官発言で円高圧力も-
本日のイベントは、豪住宅建設許可件数、中RatingDog製造業PMI、本邦10年利付国債入札、欧消費者物価指数、米ISM製造業景況指数、米JOLTS求人が予定されています。
2027年度予算を巡る各省庁の概算要求額は143兆円前後と過去最大に膨らみました。政府が目安としていた140.6兆円を上回ったほか、現時点で金額を示さない「事項要求」も多く、最終的な歳出規模はさらに拡大する可能性があります。こうした財政への警戒を背景に、新発10年国債利回りは一時2.950%まで上昇し、約30年ぶりの高水準を記録しました。本日は10年国債入札も予定されており、投資家需要が弱ければ3%台を意識した金利上昇につながる可能性があります。もっとも、国内金利の上昇が円相場に与える影響は、その背景によって異なります。日銀の追加利上げ観測を映した金利上昇は円買い材料となる一方、財政拡張への警戒を背景に国債のタームプレミアムが上昇する局面では、金利上昇がそのまま円高にはつながりにくいと考えられます。政府は27年度の新規国債発行額を40兆円程度に抑える方針ですが、歳出拡大に見合う財源を確保できるかは不透明です。概算要求の膨張が国債増発観測につながれば、国内金利には一段の上昇圧力がかかる一方、為替市場では財政への信認を巡る警戒が円の上値を抑える可能性にも注意が必要です。
一方、ベッセント米財務長官は31日、「日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信している」と発言。また、「市場が持っていない情報を持っている」とも述べ、発言を受けてドル円は159円台後半まで下落しました。具体的な政策には言及していないものの、9月の日銀会合を前に追加利上げや円安是正への思惑を強める材料となっています。前週末のウォーシュFRB議長のタカ派発言がドルを支える一方、日銀の利上げ観測や当局発言は円の支えとなっています。本日は10年国債入札を受けた国内金利の動きと、ベッセント米財務長官の発言を受けた円買いが続くかに注目したいです。